2017年3月30日木曜日

会社の設立手続き①

今日は、公証役場に行ってきました。
会社の設立登記に先立って、定款認証をしてもらうためです。
先日、知り合いの方に
「会社の設立って行政書士の仕事じゃないの?」
と言われてしまったので、司法書士の仕事でもありますよ!
って少しアピールさせてください。

会社を設立する際の主な手続きとして、
①定款作成
②登記申請
③許認可申請
があります。
①と②はすべての会社において必要で、
③は業種によって必要になる場合があります。

①定款作成(司法書士も行政書士もできます)

定款(ていかん)とは、会社ごとに作るルールブックのようなもので、
会社の商号や目的など、会社法の規定に則って作成します。

定款には、4万円分の印紙を貼らないといけないことになっています。
電子定款(データで作る定款)にすればこの4万円が不要になるのですが、
電子定款には電子署名(データに実印を押す、みたいなイメージ)が必要です。
この電子署名ができるようにするのが、お金もかかるし結構面倒なのです。

司法書士や行政書士なら、設備を整えている事務所が多いので、
さらっと電子署名ができちゃいます。

定款作成を司法書士や行政書士に依頼すると、
定款の内容について専門家のアドバイスを受けられるのはもちろん、
電子定款にして印紙代を節約できるというメリットもあります!

ちなみに、冒頭の「定款認証」というのは、
定款を公証人に認証してもらう手続きです。
設立する会社が株式会社の場合は、
定款認証をしてからでないと設立登記を申請できません。

②登記申請(行政書士はできません)

会社は、本店所在地の管轄法務局に設立の登記申請をしないと成立しません。
登記申請には、定款以外にもさまざまな書類が必要になります。

司法書士は、登記申請に必要な書類を作成し、
依頼者の代理人として法務局に登記申請をすることができます。

行政書士は登記申請の代理はできないので、
定款作成から登記申請までお任せしたいという方は、
司法書士に依頼するのがおすすめです。

③許認可申請(司法書士はできません)

建設業など、営業を始めるために行政庁の許認可が必要な業種があります。
行政書士は、この許認可申請を代理ですることができます。

許認可が必要な業種で、設立後の許認可申請を専門家に依頼したい方は、
定款作成の段階から行政書士に依頼するメリットがあると思います。


司法書士と行政書士ってよく間違えられますし、
その業務範囲の違いもあまり知られていないように思います。
それぞれの試験科目を比較すると、得意分野がよくわかるかもしれません。

<司法書士の試験科目>
憲法、民法、商法・会社法、刑法、
不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、
民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法
→民法、商法・会社法、不動産登記法、商業登記法が配点が大きいです。

<行政書士の試験科目>
基礎法学、憲法、民法、行政法、商法・会社法、一般知識
→私は受験したことがありませんが、某資格予備校のホームページを見ると、
民法と行政法の配点が大きいようです。

共通するのは、憲法、民法、商法・会社法です。
特徴的なのは、司法書士の不動産登記法と商業登記法、
行政書士の行政法でしょうか。


会社設立手続きの話から、
だんだん司法書士と行政書士の違いの話になってきましたが、
結局のところ会社設立の手続きは司法書士も行政書士もできるけど内容は違うよ、
ということです。

私は司法書士なので、
登記申請まで含めた会社設立手続きを司法書士に依頼してほしいなぁと
常々思っています。

会社の設立っていくらかかるの?
という質問もよくいただきますので、
次回「会社の設立手続き②」で詳しくご説明いたします。

2017年3月24日金曜日

そもそも登記って?

今では債務整理や成年後見などもメジャーになってきましたが、
以前は「司法書士といえば、登記」だったそうです。
そこで今回は、登記について書いてみたいと思います。


そもそも「登記」って何ぞや?って人も少なくないと思います。
理系出身の私は、住宅メーカーに就職するまで知りませんでした。
思い返してみると、小学校の漢字ドリルの読み方を答えるところにあったような…
「とうき」と読みます!!

登記にはいろいろ種類がありますが、
昔からの登記といえば不動産登記と商業登記の2種類でしょう。
不動産登記情報には不動産の所在、地番・家屋番号、面積、所有者、担保権者などが記録されています。
商業登記情報には会社の商号(会社の名前)、本店所在地、資本金、成立年月日、役員などが記録されています。
それぞれ、不動産の戸籍、会社の戸籍、というイメージです。

登記情報は、法務局(法務省民事局の機関)で管理されています。
以前は、法務局に備え付けられていた
「登記簿」という紙の簿冊に書き加える方式でした。
法務局で登記簿を閲覧したり、
「登記簿謄本(とうきぼとうほん)」を取得することで、
登記されている内容を確認することができました。
登記簿謄本というのは、「登記簿のコピー」ということです。

今は、登記簿が電子化されて「登記情報」になっていて、
全国の法務局などで「登記事項証明書」を取得して、
その内容を確認することができます。
でも、「登記簿謄本」という呼び方が今でも馴染んでいるので、
「登記事項証明書」のことを
「登記簿謄本」あるいは単に「謄本」と呼ぶことも多いです。
登記情報の内容を閲覧するだけなら、
インターネットでも見られるようになりました。
登記情報提供サービス

登記されている内容を変更したい場合は、
管轄の法務局に登記申請をすれば、登記官が登記情報を変更してくれます。
この手続きが、いわゆる「登記する」ということです。
登記申請には専門的な知識が必要なので、司法書士は昔から、
登記申請をする人の代理人として申請書や添付書類を作成し、
法務局に申請することを業としてきました。(注)
例えば、売買によってある不動産の所有者が変わった場合、
司法書士は買主さんと売主さんから委任を受けて、
買主さんを新しい所有者として登記してもらうように法務局に登記申請をします。

ちなみに、不動産登記は不動産の所在地、商業登記は本店の所在地によって、
管轄の法務局が決まっています。
福岡市早良区の場合、不動産登記は福岡法務局西新出張所管轄で、
商業登記は福岡法務局(本局)管轄です。
(平成29年3月24日現在)

日常生活の中で出会うであろうもう一種類の登記に、
「成年後見登記」があります。
これは、不動産登記や商業登記とは少し違います。
成年被後見人(認知症などで意思能力がなく、家庭裁判所で後見開始の審判がされた人)が誰で、その成年後見人(成年被後見人の法定代理人として契約等を行う人)が誰か、ということが記録されています。
宅建士や司法書士など一定の職業に登録する際に、
「登記されていないことの証明書」の提出を求められることがあります。
これは、宅建士等の登録ができない事由のひとつに、
「成年被後見人であること」と定められているからです。
「登記されていないことの証明書」を提出させることで、
成年被後見人ではないことを確認しているのです。


登記について、なんとなくご理解いただけたでしょうか。
なんのために登記制度があるのか、
登記しないとどうなるのか、など、
登記に関して書きたいことはたくさんありますが、
長くなるのでまた次の機会にしようと思います。
お読みいただき、ありがとうございました!


(注)不動産登記申請について司法書士が代理人になれるのは、権利部(所有者、担保権者など、その不動産に関する権利が記録されている部分)についてです。
表題部(所在、地番・家屋番号、面積など、不動産の状態が記録されている部分)についての登記申請代理は、隣接士業である土地家屋調査士のお仕事です。

2017年3月15日水曜日

姻族関係終了届

最近、ときどき「死後離婚」という言葉を耳にします。
配偶者が死亡すると婚姻関係が終了するから離婚はできないはずでは?と感じる人もいると思います。
どうやら、民法第728条第2項に基づいて戸籍法第96条の「姻族(いんぞく)関係終了届」を提出することを指すようです。
私の個人的な意見ですが、「死後離婚」という言葉はちょっと誤解を招きやすいかな、と思っています。
そこで、この「姻族関係終了届」について、少し解説をさせてください。

法律では、次のように定められています。

民法
第728条 姻族関係は、離婚によって終了する。
 ② 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

戸籍法
第96条 民法第728条第2項の規定によって姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

つまり、「姻族関係終了届」はその名の通り、生存配偶者が「姻族関係」を終了させるものであって、配偶者との婚姻関係を終了させるものではありません。
では、「姻族」とは何でしょうか。

民法
第725条 次に掲げるものは、親族とする。
1 六親等内の血族
2 配偶者
3 三親等内の姻族

「血族」とは、出生によって関係が生じる自然血族(実の両親、実の兄弟など)と、養子縁組によって関係が生じる法定血族(養親子など)のことをいいます。
それに対して「姻族」とは、自分の配偶者の血族(配偶者の両親など)と、自分の血族の配偶者(子の配偶者など)のことをいい、婚姻によって関係が発生します。

「三親等内の姻族」は親族ですから、姻族関係が終了するということは、法律上、親族ではなくなるということです。

ここでもう一度、民法第728条を見てください。
民法
第728条 姻族関係は、離婚によって終了する。
 ② 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

第1項で、姻族関係は離婚によって終了することが定められています。
離婚をすれば元配偶者の血族は親族ではなくなる、というのはごく自然なことのように思います。

一方、第2項で、夫婦の一方が死亡した場合は、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときにのみ、姻族関係が終了することになっています。
つまり、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示しなければ、親族であり続けることになります。
これについては、さまざまな考え方があると思います。
長年親族として過ごしてきたんだから、引き続き親族であり続けるのは当然と思う人は多いでしょう。
でも、たとえば嫁姑問題に悩まされてきたお嫁さんであれば、夫が死んだあとも姑との関係が続くなんて耐えられない、という人もいるでしょう。
民法では、生存配偶者にだけ、姻族関係を続けるかどうかについての選択権を与えています。
法律上、死亡した配偶者の血族の同意や承諾は一切不要です。

「姻族関係終了届」によって終了するのは、あくまで、生存配偶者と死亡した配偶者の血族との姻族関係です。
それ以外の親族関係に、法的な影響は及びません。
死亡した配偶者から相続した財産を返還しなければならない、ということもありません。

では、「姻族関係終了届」によって何が変わるのでしょうか。
そもそも姻族間には、相続の権利はありません。
また、同居をしていなければ、特別な事情がある場合を除いて扶養義務もありません。
ですから、「姻族関係終了届」は、何があっても扶養義務を負わないようにするという意味もありますが、気持ちの整理の部分が大きいように思います。

民法
第730条 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。
第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。
② 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。


「姻族関係終了届」は、離婚した場合と同様に姻族関係が終了するから、いわゆる「死後離婚」ということみたいです。

しかし、「死後離婚」というと、生前の夫婦の関係がうまくいっていなかったような印象を受けがちです。
生前の夫婦関係がうまくいってなかったから、配偶者の死後にその血族との縁を切りたい、というのもアリだと思います。
でも、夫婦関係が円満だった場合にも、「姻族関係終了届」を使っていいと思うのです。

司法書士試験の勉強をしているとき、予備校の講師の先生はこの制度について、「結婚といえば嫁入りが当たり前の時代に、若くして夫に先立たれたお嫁さんが、亡き夫の家を出て新たな人生を選ぶことができるようにするためにできた制度」というような説明をしていました。
いまはそんな時代ではありませんが、私には「死後離婚」よりこの先生の説明の方がしっくりきます。
だから、「死後離婚」という言葉より、「姻族関係終了届」という正式名称がもっと周知されたらいいなぁと思っています。

2017年3月14日火曜日

住宅ローン完済時の手続き

住宅ローンを完済されたみなさま、「抵当権抹消登記」はお済みですか?
金融機関から書類が届いたら、速やかに手続きを行うことをお勧めします。


住宅ローンを組むとき、大抵の場合、「抵当権設定登記」をしています。 マイホーム購入の際の様々な手続きの流れの中で行われるので、あまり意識せずに手続きを済ませているように思います。 登記事項証明書(登記簿謄本)の「権利部(乙区)」を見れば確認できます。

「抵当権設定登記」は、万が一、ローンの返済ができなくなったとき、 お金を貸した金融機関などが競売にかけて、債権を回収しやすくするためのものです。

ですから、ローンを完済すると「抵当権設定登記」は不要になります。 しかし、「抵当権設定登記」は「抵当権抹消登記」手続きをしないと消えません。

そこで金融機関は、ローンを完済した人に対して「抵当権抹消登記」手続きに必要な書類を発行します。 丁寧な金融機関では、その手続きの方法を説明してくれたり、司法書士を紹介してくれたりしますが、 書類を送ってくるだけの金融機関もあります。

「抵当権抹消登記」手続きをしないまま、この書類を紛失してしまう人に何度も出会いました。 これが、けっこう厄介なのです。

通常、不動産は「抵当権設定登記」が残ったままでは売れません。 借り入れが残っていた場合でも、売買代金で完済し、売買の登記といっしょに「抵当権抹消登記」を申請します。 つまり、「抵当権設定登記」が残っていて、かつ「抵当権抹消登記」手続きに必要な書類がないということは、 実質的に当該不動産を売ることができないということになります。

もちろん、金融機関にお願いをして書類を再発行をしてもらうことはできます。 しかし、借り入れをしていた銀行がなくなってしまっていたり、合併を繰り返していたりで、 その窓口を探すところから苦労することは珍しくありません。 再発行に時間がかかってしまって、予定していた日に売買ができない、なんてことも起こりかねません。

金融機関から書類を受領してすぐに手続きをしておけば、そんな心配はありません。 住宅ローンを完済して金融機関から書類が届いたら、すぐに司法書士にご相談ください!!

・・・と言いたいところですが、「抵当権抹消登記」手続きは、自分で法務局に行って申請する人もいます。 法務局に相談窓口がありますので、平日の昼間に時間の取れる方は、書類を持って一度相談に行くものいいかもしれません。

ちなみに、不動産登記は対象不動産の所在地によって管轄が決まっています。 当事務所のある福岡市早良区を管轄している法務局は、西新駅から近くの福岡法務局西新出張所です。 また、法務局の相談窓口は予約制なので、事前に電話でお申込みを。

手続きが不安だから専門家に任せたい、平日の昼間は仕事で自由に動けない、という方はぜひ司法書士にご相談ください。 当事務所では、初回ご相談とお見積りを無料でさせていただきます。

2017年3月2日木曜日

ごあいさつ

司法書士寺田知未の業務日誌へようこそ。

このたび、司法書士事務所を開業することになりました。
備忘録を兼ねて、日々の業務について綴っていきたいと思います。


司法書士って何するヒト?と、よく聞かれます。
馴染み、薄いですよね。
私も、住宅メーカーに就職するまで、
その存在すら知りませんでした。

CMや街頭広告は過払金返還請求のものが多いので、
そのイメージがある方も多いと思いますが、
過払金返還請求は司法書士業務のごく一部です。

司法書士の業務は、司法書士法と司法書士法施行規則で定められています。
主なものをざっくり挙げると、
1、登記又は供託の手続について代理すること
2、法務局に提出する書類を作成すること
3、裁判所若しくは検察庁に提出する書類を作成すること
4、簡易裁判所における手続について代理すること
5、管財人等の地位に就いて他人の財産管理等を行うこと
6、後見人等の地位に就いて他人の法律行為について代理等を行うこと
7、上記の事務について相談に応じること
という感じになります。

具体的には、下記のようなお仕事が多いです。
◇不動産を売買するときや住宅ローンを完済したときの登記手続
◇相続による不動産の名義変更の登記手続
◇遺言作成のお手伝い
◇会社を設立したり、役員が変わったりしたときの登記手続

法律に則った手続きをすることは、
将来のトラブルを防ぐことにつながります。
お気軽にご相談ください。
TEL: 092-407-9314(平日 9:00~17:30)
※右側のお問い合わせフォームからは、いつでもご相談を受け付けています。